大判例

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東京高等裁判所 昭和50年(行ケ)113号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

原告 株式会社盛光

右訴訟代理人弁理士 杉山泰三

被告 特許庁長官

熊谷善二

右指定代理人 高木久男

外二名

【判旨】

成立に争いのない甲第三号証(引用例の意匠公報)によれば、意匠に係る物品として「はさみ」の表示があり、そこに記載されている「はさみ」は、一方の刃体には根元部と先端部付近とにそれぞれ台形の凹陥部分が設けられ、他方の刃体にはこれらの凹陥刃と相係合する台形の凸刃をその根元部と先端部付近とにそれぞれ設けた構造のものであることが認められる。

ところで、<証拠>によれば、波鈑を切断する鋏においては、波鈑の形を崩すことなく切断するために、その刃体の刃縁の形状を切断対象物である波鈑の波形と同形状に作製することが、本願考案の出願前に周知であることが認められ、また、<証拠>によれば、角波形の鉄鈑が建築材料として用いられることが、本願考案の出願前に周知であることが認められ、この角波鈑を使用するに際し、切断加工が要求され、そのための専用鋏の需要も当然生ずることが推認される。

それで、これら周知の事実に基づいて引用例に記載されている「はさみ」をみると、一方の刃体には凹陥刃、他方の刃体には凸刃がそれぞれ設けられており、かつ、その凹陥刃及び凸刃の形状が台形であることからして、この「はさみ」は、その波形が台形の角波鈑切断用の鋏であると解するのが相当であつて、右認定を覆えし、この鋏について他の切断対象物を認めるに足りる証拠はない。

したがつて、審決が、引用例の鋏を波鈑切断用の鋏であると認定した点に誤りはない。

(荒木秀一 石井敬二郎 橋本攻)

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